2016年12月29日木曜日

会社の若い子と呑んだ、そして、ロールモデルについて考えてみた

職場の20代の女の子と、二人きりで呑みに行きました。

一緒に呑むといっても、まあそこは職場の友人という事で、話題の中心は仕事の話、さらに端的には「どうやってキャリアを積んでいくか?」という事の相談というか、愚痴を言いたいというのが、彼女が僕を呑みに誘ってくれた理由だった様です。

さらっと書きましたが、「誘われて」呑みに行きました、ハイ。
今年(2016年)に43歳になったオジサンにしてみると、これはもう事件と言っていいほどのイベントで、日時を決めたり、お店の場所と時間を知らせるテキストメッセージを打つ手が、年甲斐もなくドキドキしたりというのは別の話として...。

そんな感じで二人で呑みに行けば、まあ必然的に多少は深い話もするという事で、その夜の一つのテーマは、彼女が、職場に「『こういう様な人になりたい』というロールモデルがいないこと」、そして、そういう環境の中で、いわゆるワークライフバランスをどういう形で折り合いをつけるかというお悩み相談でした。

そんな彼女との会話の中で、5人の女性の話が出てきました。

一人目は、プロの経営者として役員として雇われている女性、仮に「A役員」としましょう。A役員は、古い日本企業の文化が残るわが社の中で、強くダイバーシティを推進し、女性にとって働きやすい環境作りを進めているひとなのですが、彼女に言わせると、

「でも、A役員って、独身ですよね。」

の一言で切られてしまいました。なるほど、同性としてはそこは大きなギャップなんだと、異性の僕としては無邪気に感じたわけです。

二人目は、彼女のグループで部下無しのマネージャをやっている僕と同じ年の女性、仮に「Bマネ」としてましょう。Bマネは、A役員と違って、ちゃんと結婚もしていていますが、お子さんはいらっしゃいません。仕事もそれなりにできる人だし、話題も豊富なので、僕としては話していて楽しい同僚なのですが、彼女に言わせると、

「う~ん、Bマネは、お姫様なんですよね。私はああいう風にはなりたくないんです。」

と、これまた厳しいお言葉。まあ、確かに、40過ぎてハローキティグッツがデスクに置かれている様な人であることは事実です。

三人目は、同じフロアにいる3歳のお子さんがいる女性、仮に「C女史」としましょう。C女史は、おそらく30台前半、時短もしていないし、時には旦那さんとお子さんを任せて海外出張もするといった感じで、非常にしなやかに仕事をしているタイプです。

彼女にとっても、A役員とBマネに比べればグッと親近感の覚える相手のようなのですが、そこは年齢があまり離れていない事もあって、憧れとかロールモデルにはならないようです。

四人目は、彼女が地方勤務時代の課長さん、仮に「D課長」としましょう。D課長は極端な例で、シングルマザー、自分は平日地方都市で働き、お子さんは実家で面倒を見てもらう。お子さんに会えるのは週末のみという方でした。

残念ながら、僕の面識の無い人なので、肩書や境遇の話で終わってしまったのですが、これまでの3人に比べれば一番尊敬できる相手だった様ですが、自分自身の選択肢として考えたら、あまりにもかけ離れている相手という事です。まあ、僕から見ても、彼女の意見はごもっともです。

そんな話をしながら、五人目の女性として、僕が自分の奥様の話をしました。 38歳の時に子供を持って、旦那の僕と平等に家事と子育てを分け合って、会社では部下を持つマネージャ職として苦労しながらも頑張って仕事をしている存在として。

まあ、旦那の僕の口からの話なので、そこにある臨場感を含めて、それなりに興味を持つ話だったようですが、うちの奥さんみたいに「バリキャリ」として夫までもフル活用しながら仕事をするというのも、手放しで共感できる存在では無いみたいです。

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かなり大まかな話ですが、これが5人の女性の話です。
こうやって文字にしてみると、かなりバラエティのある5人が揃った感じでしすね。

ここから、なんか教訓じみた事が言えれば良いのですが、残念ながらこの話に結論はありません。
話をした後も彼女も悩みは解決していなかったし、単に二人で「大変だね~」と言いながら、お酒を呑んだというだけでの話です。


ただ、帰り道に、僕が感じたのは、ちょっとした敗北感と、彼女に対する申し訳なさでした。

別に説教くさく「人生とゎ~!!」なんて言うつもりはないですが、「DSKさんみたいな生き方ってちょっと良いですよね。」位は言ってもらえる様になりたいな、と。僕ら40代は「不惑」として、若い人達にもっと格好良い背中を見せなければいけないな、と気が付いた訳です。

僕ら40代が「ロールモデルがいない」と言いながら右往左往している姿は、彼女たち20代の人達も敏感に見ているのだな、たぶん、と今さらながら気づかされた感じです。

とは言え、呑みに誘ってくれて、こんな話が出来ただけでも上出来なのかな。
そんなことを感じている2016年の年の瀬です。