2011年6月24日金曜日

6DJ8 Mini Watter (ミニワッター) アンプ:その後編

6DJ8 Mini Watter (ミニワッター) アンプですが、完成して2週間ほど使っています。

聞き込んで見て分かったのですが、感覚的な表現ですが、「大人のアンプ」です。地を這うような低音や、ナイフエッジの様なシャープさはありませんが、音を正確に鳴らします。そこに、各真空管の持つ音の個性が、薄味のスパイスとして乗っている様な感じです。

音量についても、我が家の用途である「休日はFMラジオを付けっぱなし」と「Gyaoで韓流ドラマ鑑賞(奥様です)」に対しては、充分すぎる音量です。爆音に浸りたい時には、メインアンプ(と言っても10W)にご登場頂いています。

素人考えなのですが、こんな「簡素な回路」でありながら、ちゃんとした音を出すのは、信号のライン(回路)と、電源のライン(回路)を、かなり明示的に分割していることが要因だと思います。Mini Watterアンプの場合も、OPTを駆動する終段の信号ループがアースラインから独立していることが特徴ですし、差動PPにしても、定電流回路によって信号ラインが独立しています。そう言う設計をすることで、電源にまつわる課題と、信号増幅にまつわる課題をちゃんと分けて対策出来る様になり、簡素な回路でありながら、必要充分とする性能に行き着ける様になるのでは無いかと思います(実際に、ぺるけさん本人も、アースラインの設計と、信号ループの設計がキモだと強調されていますよね)。

昔、差動PPを作った時、つまり、自作初心者の頃は「信号ラインからコンデンサの排除」した部分に魅力感じていましたし、そのころの作品は、バカみたいに大きなコンデンサや、高価なコンデンサ(OSコンとか)を使って、そこから得られた音に満足していましたが、(少しづつですが)回路を勉強をする様になって、その考え方を改める様になっています。というか、コンデンサにこだわる事って、方法が違うだけで目指している所は一緒であることが分かりました。

こうやって文章を書いてきて、ぺるけ式アンプ全般に感じる事ですが、この辺のさじ加減は、家庭料理に似ていることに気がつきました。食材、設備、料理人の腕、全てが整ったレストランに対して、家庭料理で美味しい物を食べようと思ったら、

 1.レストランの食材を超える高級食材を買ってくる
 2.丁寧に下処理をし、出汁をとり、アクをとり、シンプルに味付けする

のどちらかだと思います。前者が高級コンデンサ的指向に対して、後者が今回のやり方です。そうやって、家庭でも料理をすれば、ちょっとやそっとのことではレストランに負けない食事が作れることは、たぶん、うちの奥様も同意してくれるはずです。

最後は話がそれました。

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